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江戸小紋
伝統紋様 [ 江戸小紋 ]
私の家は、着物業を商いとしている為、子供の頃から伝統紋様にはとても親しみがありました。江戸とは昔の東京の事ですが、とてもユニークな文化が育まれた街です。江戸時代は250年以上続き、最も平和的な時代とも言われます。ただし、その平和とは様々な厳しい規制から成り立つもので、デザインさえもその制限の一つでした。幕府の方針では、庶民に贅沢は禁物とされ、例えば一般の人々には使用を禁止されている紋様や色がありました。そのような経緯から江戸市民は、シンプルな日常の道具や植物、食べ物等をモチーフに、独自のデザインを発達させました。古都京都が優美で高貴なデザインを発展させたのに対し、江戸では独特なユーモアのあるモチーフが次々に生まれました。江戸小紋は当初、裃と呼ばれる武士の礼装用、格式ある紋様として始まり、藩を象徴する特定の柄は、それぞれが独占的に使っていましたが、のちに江戸時代の人々によって考案された小紋は総称して江戸小紋と呼ばれるようになりました。江戸小紋に限らず日本の伝統紋様は豊かな四季に移り変わる自然美への感謝の気持ちも込められ、多くが邪気を払い、幸運を呼び込む吉祥のシンボルとされています。江戸時代に愛され、大切にされてきた紋様が、昔の人々と現代の我々とを繋いでいるのだというアイディアがとても好きです。着物を家業とする家に生まれた東京出身デザイナーとして江戸文化の伝承に少しでも貢献できたらと思います。 江戸小紋のコレクションは EMOSIWN Etsy Shop よりご購入出来ます。